【5月19日 AFP】英日曜紙サンデー・テレグラフ(Sunday Telegraph)は18日、英航空防衛機器大手のBAEシステムズ(BAE Systems)のマイク・ターナー(Mike Turner)最高経営責任者ら幹部2人が前週、サウジアラビアとの大規模武器取引に絡む裏金疑惑で米司法当局の取り調べを受けたと報じた。

 同紙によると、ターナー氏ら幹部2人は商用で米テキサス(Texas)州ヒューストン(Houston)の空港に到着したところを一時拘束され話を聞かれたという。その際、個人で所有する電子機器も調べられたという。また、これに相前後して、米国内の同社幹部宅などが家宅捜索された。英外務省関係者は今回の措置について「強引だ」として懸念を表明した。

 米司法省は現在、BAEシステムズが1980年代に、サウジアラビア政府との総額430億ポンド(約8兆8000億円)の武器取引を確実にするため、サウジアラビア政府関係者に賄賂を贈ったとされる疑惑を捜査している。

 英国政府は2006年12月、英国の安全保障とサウジとの関係悪化への懸念を理由に重大不正捜査局(Serious Fraud OfficeSFO)による同疑惑の捜査を中止した。その後、ロンドン(London)の高等法院は、同疑惑の捜査中止過程でSFOが不法な行為を行ったとの判断を下している。その一方で、米当局は捜査を進めてきた。

 BAEシステムズの広報はAFPの取材に対し、報道は否定しなかったものの「BAEシステムズは、2007年に開始された司法省の捜査に関連した一連の出来事に関し、報道に注目していく」とだけ述べ、「すでに発表している通り、この件は捜査中でこの問題に関連する情報はすべて司法省に提出する」と強調した。(c)AFP