【4月18日 AFP】米カリフォルニア(California)州ロサンゼルス(Los Angeles)の裁判所は17日、交通事故を装って路上生活者の男性2人を殺害した罪などに問われているオルガ・ルターシュミット(Olga Rutterschmidt)被告(75)に対し、保険金詐欺の罪で有罪の陪審評決をくだした。

 同裁判所陪審は、2005年に路上生活者のケネス・マクダビッド(Kenneth McDavid)さん(当時50)がひき逃げされ死亡した事件で、ルターシュミット被告がヘレン・ゴーレイ(Helen Golay)被告(77)と共謀して同氏に生命保険をかけたうえでひき逃げして殺害し保険金数百万ドルを不正に取得したとして、有罪と認めた。

 ルターシュミット被告は16日には殺人および共謀罪について有罪評決を受けていた。このほかにも、1999年に路上生活者だったポール・バドス(Paul Vados)さん(当時73)を同様の手口で殺害した罪にも問われており、21日に陪審評決が行われる予定。

 一方、共犯のゴーレイ被告は16日の陪審で、両事件について殺人や共謀罪など4つの訴因について有罪評決を受けている。ゴーレイ被告の判決公判は6月24日に行われる。 

 20年来の知り合いのルターシュミットとゴーレイ両被告による犯行は、被告の車両から犠牲者男性のDNAが検出されたことから発覚。2人は2006年5月に逮捕された。

 検察側は、死刑は求めないものの仮釈放なしの終身刑を求刑する見通しだという。

 事件が明らかになってから、米国メディアは保険金をかけたうえで路上生活者男性をひき殺した両被告を「黒い未亡人」と呼び、大々的に報道している。(c)AFP