【3月19日 AFP】韓国南東部の蔚山(Ulsan)で今年1月に倉庫から大量の鯨肉が見つかった事件で、海洋警察庁は18日、船長(47)と船員2人を逮捕したと発表した。3人は前年5-8月の間に少なくとも3回にわたり鯨を違法に捕獲したとされ、今回の事件で初めての逮捕者となった。

 今年1月、蔚山にある倉庫内を警察当局が捜索したところ、冷蔵庫からミンククジラ約60頭分の肉が見つかった。押収された鯨肉は約50トンに上り、鯨肉違法取引では同国最大級の事件となった。警察当局はこれまでに漁業従事者や仕入れ業者、鯨料理を提供するレストランの経営者など約70人に事情聴取を行った。

 蔚山には鯨料理レストランが数十軒あるが、昨年に警察当局が違法捕鯨に対する取り締まりを強化して以来、鯨肉が値上がりしている。

 同国では、混獲など意図せずに鯨を捕獲した場合、当局に報告し、海洋警察当局の捜査を受けなければならない。偶然だったと判断された場合は売買することが法律で認められている。

 同国でこのような形で捕獲される鯨の数は毎年およそ200頭とされるが、ミンククジラは1頭当たり3500万ウォン(約370万円)で取引されるため、自然保護団体などは密猟の可能性を指摘している。(c)AFP