【2月22日 AFP】仏銀行大手ソシエテ・ジェネラル(Societe Generale、ソジェン)がトレーダーの不正取引で巨額損失を出した事件で、仏予審判事団は21日、ジェローム・ケルビエル(Jerome Kerviel)被告(31)の3度目の尋問を行った。

 ケルビエル被告は、信用毀損(きそん)、不正取引の隠蔽目的での文書偽造、会社のコンピューターへの不正アクセスなどで前月28日に起訴されている。同日の尋問は4時間以上にわたった。

また、ソジェンの先物子会社フィマット(Fimat、現社名ニューエッジ、Newedge)に勤務するトレーダー1人の事情聴取も別途行われた。このトレーダーはケルビエル被告と関係があると見られており、2人の間で交わされたインスタントメッセージに聴取の焦点が置かれたもようだ。

 警察はすでに、同被告の文書偽造とコンピューターへの不正アクセスに関連して、2007年9月-08年1月に両者間で交わされた約1600回のインスタントメッセージ文書を押収しているが、仏メディアによればこのトレーダーは07年12月にケルビエル被告に対し、「あなたは違法なことは何も行っていない」とのメッセージを送っているという。
 
 このトレーダーは、ケルビエル被告の文書偽造に関して弁護士の付き添いのもと法廷で証言ができる参考人に指名されている。

 一方、このトレーダーの弁護人は、メディアで報じられた一部のインスタントメッセージの内容について、「2人が共謀していたと受け取られかねない」として、虚偽報道で提訴した。(c)AFP