【2月16日 AFP】焦げたマリフアナのにおいは違法薬物所持の証拠とはならない。カナダ・サスカチワン(Saskatchewan)州の控訴裁判所は14日、このように述べ、被告を無罪とした原審を支持する判決を下した。

 起訴されていたのはアーチボルド・ジャンビエール(Archibald Janvier)被告。ジャンビエール被告は2004年、同州のラロシュ(La Loche)をトラックで走行していて警察官に停止された。停止はテールライトが破損したままの走行に対して反則切符を切るためだった。だが、被告を逮捕した警察官は裁判で、トラックの中から「焦げたマリフアナの強いにおい」を感じたと証言。このため、違法薬物所持の疑いでトラック内を捜索し、ジャンビエール被告のコートやブーツ、トラックのコンソールからなど計8グラムのマリフアナを発見したという。

 しかし、審理にあたった3人の裁判官は、「焦げたマリフアナのにおいは、さらにマリフアナが存在するとの推定を合理的に支持するものではない」とし、したがって警察官にはトラック内を捜索する「合理的な根拠がなかった」と述べ、無罪判決を支持した。

 ジャンビエール被告の弁護人は、焦げたマリフアナのにおいは当該薬物の消失を推定するのであって、逮捕状なき捜索および押収は不当だと主張していた。(c)AFP