【2月1日 AFP】仏銀大手ソシエテ・ジェネラル(Societe Generale、ソジェン)で不正取引を続け巨額損失を計上した同行元トレーダーが、不正取引を始めたのは2005年の英ロンドン(London)地下鉄爆破テロがきっかけだったことが、仏捜査当局への供述から明らかになった。

 仏ルモンド(Le Monde)紙が31日報じたソシエテ・ジェネラル元トレーダーのジェローム・ケルビエル(Jerome Kerviel)容疑者の供述内容およびAFPが捜査関係者に確認したところによると、同容疑者は、ロンドンの地下鉄爆破テロで株価暴落を予測し、独保険大手アリアンツ(Allianz)株の売買で50万ユーロ(約7900万円)の利益を上げた。しかしこの取引について説明することができなかったため、書類を偽造して取引を隠ぺいしたという。

 この後も、ケルビエル容疑者は不正取引を繰り返し、2007年12月には14億ユーロ(約2200億円)を儲けたが、一方で同年7月には25億ユーロ(約3950億円)の損失を出している。

 不正取引を続けたことについてケルビエル容疑者は、銀行のために金を稼ぎたかったことが最大の動機だと供述しているという。

 こうして同容疑者の不正取引による損失は、不正が発覚した18日には50億ユーロ(約7900億円)にまで膨れあがり、ソシエテ・ジェネラルの経営を危機に陥れた。

 一方で、ケルビエル容疑者は「22日までに損失を取り戻す自信はあった」と述べ、「ソシエテ・ジェネラルを解雇されるとは予想もしていなかった」と語っている。

 ケルビエル容疑者の容疑は背任、文書偽造およびコンピューターへの不正アクセスで、現在、これらの手口の詳細についても供述を始めているという。(c)AFP