【10月30日 AFP】48人を殺害したとされる「チェスボード・キラー(chessboard killer)」ことアレクサンダー・ピチュシキン(Alexander Pichushkin)被告(33)の公判で、モスクワ(Moscow)市の裁判所は29日、被告に終身刑を言い渡した。

 黒とグレーの衣服を着て出廷したピチュシキン被告は、裁判官から判決を理解できるかと問われると、「耳は聞こえている」と返答。チェスのマスと同数の64人の殺害を計画していたピチュシキン被告は、伏し目がちに判決文が読み上げられるのを聞きながら、笑みを浮かべているようにも見えた。

 裁判官は、被告は「自身が犯した罪の残忍性を認識していた」として、終身刑に加え精神病療法を命じた。

 前週には、48人の殺人と3人の殺人未遂について10週間の審理を行っていた陪審員により有罪の評決が下されていた。ただし、警察はさらに同被告が11人を殺害した疑いがあるとして捜査している。ロシアは現在、一時的に死刑を停止しているため、終身刑が最重刑となる。

 懲役25年を要求していた弁護側は同日、控訴する可能性については未定であるとした。

 ピチュシキン被告に反省の色はなく、お手本とする旧ソ連時代の最も残忍な殺人犯アンドレイ・チカチーロ(Andrei Chikatilo)が殺害した52人を越える63人を殺害したと誇らしげに主張している。(c)AFP/Olga Nedbayeva