【10月15日 AFP】「ハリー・ポッター(Harry Potter)」シリーズで魔法学校の校舎としておなじみの「ホグワーツ城(Hogwarts Castle)」のレプリカが、インド東部の都市コルカタ(Kolkata)で建築されている問題で、裁判所は12日、著作権法違反だとする著者J・K・ローリング(J.K. Rowling)の訴えを棄却した。

 このレプリカは、同国で16日から4日間の日程で行われるヒンズー教最大の祭典「ドゥルガー・プジャ(Durga Puja)」の記念イベントを開催する場所として作られている。外観は物語のホグワーツ城を具現化しており、キャンバス生地と紙粘土などで作られている。偽の大理石を使った階段や石畳の入り口があり、たいまつの炎で照らされているという。

 これに対し、ローリング及び英出版社ブルームズベリー(Bloomsbury)は394ページにわたる訴状で、同祭典の主催者が営利目的でレプリカを使用しようとしていると主張、200万ルピー(約600万円)の支払いを求める訴えを起こしていた。

 「ドゥルガー・プジャ」での使用は許可したデリー高等裁判所だが、祭典終了後にローリングの許可無しで「ハリー・ポッター」シリーズに登場する人物や物を使用することを禁じた。Sanjay Kishan Kaul判事はこの許可は10月26日または祭りの終了後に期限が切れると語った。

 国内の「ハリー・ポッター」ファンは、この判決を歓迎している。コルカタで「ハリー・ポッター」のファンクラブを創設したSayona Mandalさん(19)は「裁判所は正しいわ。本で読んで、映画で見て、ついに実物を見ることができるのよ」と語った。

 祭典主催者側は、今回の訴えが宣伝効果となり、これまでの来場者数の記録を塗り替えるのではないかと推測している。主催者側のSantunu Biswas氏は、「メディアが既にわれわれの作品を報道してくれたので、多数の来場者が見込まれる」と語った。(c)AFP