【7月3日 AFP】イラク駐留中にイラク人家族を殺害し、14歳の娘を強姦、殺害した罪で起訴されている元米国陸軍兵卒スティーブン・グリーン(Steven Green)被告に対し、検察は3日、死刑を求刑する方針であることを明らかにした。公判日程は決定されていない。

 イラクで発生した事件に関し、米国の検察が死刑を求刑するのは初めて。同元兵卒は事件後、除隊となっているため、同容疑者は軍法会議ではなく、ケンタッキー(Kentucky)州の連邦裁判所で裁かれる。

 グリーン被告の共犯とされている4人の元兵士らは、犯行当時、米陸軍の先鋭部隊、第101空挺師団に所属していた。被告は、2006年3月、イラクの首都バグダッド(Baghdad)南部の町マハムディヤ(Mahmudiyah)で一家を襲撃。両親と6歳の少女の3人を殺害した後、14歳の少女Abeer Kassem Hamza al-Janabiを強姦・殺害した事件で罪を問われている。

 共犯者4人のうち3人については、ケンタッキー州フォートキャンベル(Fort Campbell)の同師団基地内で行われた軍法会議で判決が出ている。3人は無罪を主張したが、軍法会議は2人に殺人罪で禁固18年の刑、1人に被害者に対する殴打と過失致傷で9か月の禁固刑を下した。殺人教唆罪で起訴されている共犯4人目の公判は、2008年3月に行われる予定で、この被告には終身刑が求刑される可能性がある。

 イラクおよび米国国民を激怒させた一家4人の殺人事件は、当初イラク人武装勢力の犯行とされていた。(c)AFP