【5月14日 AFP】4月にバングラデシュ・ダッカ(Dhaka)近郊で縫製工場などが入るビルが崩落し、1100人以上が死亡した事故を受け、同国の衣料品産業を支える同市アシュリア(Ashulia)地区で縫製工場労働者らが抗議行動を起こしており、数百工場が無期限に閉鎖される見通しだ。

 崩壊事故現場での遺体の捜索活動が打ち切られる中、同国繊維業界の主要団体、バングラデシュ衣料品製造業・輸出業協会(Bangladesh Garment Manufacturers and Exporters Association)は13日、現場に近いダッカ郊外の工業地帯、アシュリア地区の全工場の操業を、追って通知があるまで停止すると発表した。

 同協会のシャヒドラ・アジム(Shahidullah Azim)氏は、この決定について「われわれの工場の安全を確保するためだ。アシュリア工業団地の全工場は、労働者による抗議行動のため、14日から無期限閉鎖される」とAFPに語った。

 地元警察署長によると、工場全体の80%の作業員がストライキを起こし、賃上げと、倒壊したサバール(Savar)地区の複合施設ラナプラザ(Rana Plaza)の所有者の処分を要求している。

 アシュリアにはバングラデシュの大手縫製工場が集中しているが、アジム氏によると、4月24日のビル崩壊事故以降「事実上、稼働していない」状態だという。アシュリアには、ウォルマート(Walmart)やH&M、テスコ(Tesco)、インディテックス(Inditex)、カルフール(Carrefour)などの欧米大手メーカー向けの衣料品を製造する約500工場が集まっている。(c)AFP