【9月27日 AFP】(一部更新、写真追加)中国・上海(Shanghai)の地下鉄で27日、列車の追突事故が発生し、乗客271人が負傷した。この事故による死者はいなかった。

 この地下鉄を運営する上海地鉄運営(Shanghai Metro Company)は、「地下鉄10号線で信号故障による事故が発生し、虹橋路(Hongqiao)駅と天潼路(Tiantonglu)駅の間で運転を見合わせている。現場には警察と武装警察が出て乗客の救出にあたっている」と発表した。またこの事故で10号線の9か所の駅が閉鎖された。

 現場にいたAFPの記者は、老西門(Laoximen)駅周辺の道路を警察が封鎖し、数十台の救急車も見えると報告した。中国のウェブサイトは、頭にけがをした人や、意識を失ったのか床に横になった人など、負傷して血まみれになった乗客が写った現場の写真を掲載した。

 上海地鉄運営によると約500人の乗客が救出され、負傷者は病院に搬送された。27日夜の時点で、負傷者271人のうち61人が入院、30人が経過観察とされた。負傷者の中には日本人2人、カナダ人1人、フィリピン人1人の計4人の外国人もいたが、いずれも軽傷だった。

 搬送先の病院の救急治療室にいた乗客の1人は、「スピードが出ていたようだった。急に止まったので、私はバランスを崩して頭を柱にぶつけて血が出た」とAFPの取材に語った。

 上海市当局は事故調査の特別チームを立ち上げたと発表した。特別チームは外部の専門家にも意見を求めるという。

 上海地鉄運営の会長は27日に謝罪会見を行い、仏輸送機器大手アルストム(Alstom)系のCASCO Signal製の信号システムの不具合が事故原因だったとみられると述べた。事故車両は撤去され、27日夜には運行が再開された。

 7月の中国東部浙江(Zhejiang)省温州(Wenzhou)郊外で40人以上が死亡した高速鉄道列車事故で失われた同国の広大な鉄道網への信頼を取り戻そうと中国当局が取り組んでいた中での事故となった。高速鉄道事故の調査結果はまだ発表されていないが、複数の当局者は、中国製の信号の故障が事故の原因だったと話している。

 浙江省の事故の後も列車が異常接近する事例は相次ぎ、7月には27日に事故が起きたのと同じ路線で、信号の不具合が原因で列車がラッシュアワーに逆走するという事故も起きていた。この事故による負傷者はいなかったものの、地下鉄利用者の間で安全性に警戒する声が上がっていた。(c)AFP/Bill Savadove