【10月18日 AFP】チリ鉱山の落盤事故から奇跡的に救出された作業員たちが17日、事故現場近くのテント村で行われた生還に感謝するミサに参加した。作業員たちは鉱山の安全確保を目的に基金を設立する考えを示している。

 ミサが行われたテント村は、家族たちが作業員の無事救出を信じて、10週間もの間、生活を続けてきた場所だ。

 生還した作業員33人のうち、家族や子どもたちとともに、この日のミサに参加したのは13人。前日に退院し、前夜遅くまで家族や友人と生還を祝っていたため早朝のミサまでに起きられなかったり、69日間にわたった地下生活の苦境から、まだ完全には回復していない作業員も多い。だが、現在も入院中なのは歯科手術を受けたビクトル・サモラ(Victor Zamora)さん1人で、サモラさんも19日には退院できる見込みだ。

■鉱山の安全性向上のための基金設立に意欲

 一方、作業員の1人、フアン・イヤネス(Juan Illanes)さんは地元紙メルクリオ(Mercurio)に対し、メディア取材などで受け取った報酬の使い道について、このような事故が二度と起きないよう役立てようと全員で話していると明かした。

 また、救出の際に妻と愛人の双方に出迎えてほしいと訴えて話題をよんだヨニ・バリオス(Yonni Barrios)さんも、AFPの取材に対し、みなで基金を設立して各鉱山会社に鉱山の安全対策を助言していきたいとの考えを語った。

「落盤事故での経験を役立てるために、神はぼくたちを助けてくださったのだ。だから、ぼくたちには、こうした問題(鉱山の安全)を解決していく義務がある」(バリオスさん)

(c)AFP/Maria Lorente