【8月30日 AFP】チリ北部のサンホセ(San Jose)鉱山で起きた落盤事故で29日、地下に閉じ込められた作業員が事故以来、初めて家族と電話で会話を交わした。

 5日の事故以来、地下700メートルに24日間、閉じ込められたままの作業員33人が、これまで家族と接触する手段は、手紙か当局担当者を介したものに限られていた。

 一方、セバスティアン・ピニェラ(Sebastian Pinera)大統領から「独立記念日(9月18日)」までに作業員を救出するよう要請をうけた救援隊は、地下に通じる穴の掘削作業準備を進めている。掘削作業は30日早朝にも開始される見通しだ。

■救出2か月早まる縦穴拡大案も検討中

 このほか、作業員らが閉じ込められている避難用シェルターから300メートルほどの位置にある直径約12センチの縦穴を、人が通れる大きさに広げる案が検討されている。

 この縦穴を掘削した機器を所有する「ジオテック(Geotec)」が28日、明らかにしたところによると、この方法ならば60日間ほどで作業員を救出でき、当初の見通しより救出までの期間を2か月も短縮できる。チリ政府も同案を検討中だという。だが、独立記念日のある9月中の救出については、同社は否定的な見方を示した。

■DVDや簡易ベッドも届ける予定

 また、地下の作業員のストレスを軽減する目的で、MP3プレーヤーやDVD機器、サッカーの試合映像を収録したDVD、ゲーム用のサイコロ、衣服などを届ける計画だという。さらに、地下でも快適に睡眠をとれるよう、折りたたみ式の簡易ベッドも届けるという。(c)AFP/Moises Avila Roldan