【5月8日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)では、発電機による死者が100人を超える事態となっている。

 パレスチナ自治区には、頻繁かつ長期にわたる電力不足のため、多くのディーゼル発電機がエジプトから密輸トンネルを通じて運びこまれている。停電は長い時には16時間も続き、ガザの人びとたちは中国製発電機からの電気で小さな灯りをつけている。

 だが、多数の悲劇も起こっている。

 発電機の安全な使用法をガザに人びとに教えている国際NGOオックスファム(Oxfam)のカール・シェンブリ(Karl Shembri)氏は、「人びとは、発電機のそばでタバコを吸っている時にスイッチを入れ爆発したとだか、一酸化炭素の危険性を認識していない」と語る。

 ガザ地区の救急当局者によると、前年だけで発電機が原因の火事や一酸化炭素中毒によって87人が死亡しているという。今年に入ってからの4か月だけでも23人が死亡している。

 オックスファムは、病院や学校、公的機関などに2万部のパンフレットを配るなど、発電機の安全な使用方法を伝える取り組みを行っている。ガザのほとんどの人は、電力不足が深刻化するまでは発電機など使ったこともなかった。

 ガザ地区では電力不足は日常的なことだが、今年の状況は特にひどいという。そのため、比較的安い発電機に人気が集まっているという。(c)AFP/Patrick Moser