【3月5日 AFP】スペイン沿岸で3日夜、地中海クルーズ中だった大型客船を3度にわたり、約8メートルの高波が襲い、客船の窓を割るなどして2人が死亡、14人が負傷した。

 被害に遭ったのは、マルタ船籍の大型客船「ルイス・マジェスティ(Mv Louis Majesty)」号で、同船を所有するキプロスの海運会社ルイス・クルーズ・ライン(Louis Cruise Line)によると、死者2人はドイツ人とイタリア人の乗客だった。

 マジェスティ号は全長200メートル。乗客1350人、乗員580人を乗せて地中海西部を12日間の日程で巡航していた。

 乗客らの証言によると、3日の高波は客船正面の窓を突き破り、船内はパニックに陥った。

 スペイン公共テレビ局の取材に答えたドイツ人観光客は「怪物みたいな波で、全部の窓がこなごなに砕けた。すべてがあっという間に起きた」と話した。あるイタリア人客は、現地パイス紙(El Pais)に対し「悲劇的な瞬間だった。あらゆる方向から水が流れ込んできて、船が大揺れした」と語った。テレビで放映された乗客の撮影ビデオには、壁のような波が一気に窓を割り、ラウンジに流れ込んで備品をなぎ倒す中、人々が叫びながら逃げまどう様子が映されていた。

 3日深夜、バルセロナ(Barcelona)に入港したルイス・マジェスティ号の船内からは、遺体と負傷者が収容された。残りの乗客は別の船で帰国の途に着き、船の修復が始まっている。(c)AFP

【図解】大型客船を襲った一発大波