【11月21日 AFP】オーストラリアのシドニー(Sydney)北部で18日、患者の救急搬送を行っていた航空機のパイロットが、サメの出没する海域での不時着水を成功させ、同機に乗っていた全員が無傷で救助された。

 全員が助かったのは同機のドミニク・ジェームズ(Dominic James)機長のおかげと、関係者らは称賛している。ペルエア航空(Pel-Air)の救急搬送用航空機で飛行中、ノーフォーク島(Norfolk Island)沖合で悪天候に見舞われ、4回の夜間着陸を試みるも失敗。やがて燃料切れ寸前となり、もう一度着陸に失敗すれば、機体のエンジンが空中で停止するという状況に追い込まれた機長は、不時着水を決意した。

 夜の冷たい海の中で救助を待つ間、機長は乗員と乗客がばらばらにならないよう注意し、救助が来た際も全員を自分より先に救助させ、ボートに乗った後は全員がそろっているかを確認していたという。地元空港の関係者は「まさにプロフェッショナル」と機長をたたえている。

 同機には機長のほか、手術後に回復中の女性とその夫、医療従事者2人、副操縦士の6人が搭乗していた。事故が発生したのは、南太平洋のサモア独立国から離陸し、メルボルン(Melbourne)に向かって飛んでいた途中だった。

 ちなみに、30代のジェームズ機長は今年、女性誌「クレオ(Cleo)」の「今年注目のイケメン未婚男性」の特集にもフィーチャーされていた。(c)AFP

【参考】クレオ誌のジェームズ機長の写真(英語)