【4月17日 AFP】(一部更新)北京五輪の聖火リレーが17日、インドの首都ニューデリー(New Delhi)で行われた。

 聖火リレーは、ロンドン(London)やパリ(Paris)などこれまでの通過地で、中国の人権抑圧やチベット問題に抗議する活動家らによる激しい妨害を受けてきた。チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世やチベット亡命政府は、このような妨害行為を非難し平和裏に聖火リレーが行えるよう繰り返し訴えてきたが、これまでのところ聖火リレーに厳戒態勢が敷かれる事態は収まっていない。

 こうした事態をうけ、聖火リレーを開催する各都市ではルートの極秘変更や規模縮小などの措置をとっている。

 特にチベット亡命政府やダライ・ラマ14世を受け入れ10万人以上の亡命チベット人を抱えるインドでは、亡命チベット人らによる抗議活動が懸念され、ニューデリー市は治安警官ら約1万6000人を動員する厳戒態勢で聖火リレーに臨んだ。

 関係当局は、テレビ中継カメラの前で抗議の焼身自殺者も出るのではないかとの懸念から、沿道には消防車3台が配備された。「(消火用の)毛布や水も十分用意した。要人の目前で見苦しい事態を発生させるわけにはいかない」(ニューデリー市消防署隊員)

 妨害活動への恐れから聖火リレーの距離は大幅に短縮され、走行距離は、大統領官邸からインド門(India Gate)までの合計わずか2.3キロメートルとなり、30分ほどで終了した。

 警察当局は活動家およそ180人を拘束したと発表した。急進的団体チベット青年会議(Tibetan Youth Congress)もほぼ同数が警察に拘束されたとしている。

 一方、ニューデリーでは、中国のチベット統治に抗議する1000人あまりが独自の聖火リレーを開始した。リレーはインド独立の父で非暴力主義を貫いた故マハトマ・ガンジー(Mahatma Gandhi)の霊廟(れいびょう)を出発。聖火走者や支援者らは、「チベットに自由を」と叫びながら前進した。(c)AFP/Parul Gupta