【5月5日 AFP】北京五輪の最後の国内向けチケットの販売が開始した中国で5日、購入を希望する多くの中国人が中国銀行(Bank of China)店舗とインターネットの販売サイトに殺到し、オンライン販売では長時間にわたって遅延が発生した。一方のチケット販売センター側は、重大な問題は起こらなかったと発表した。

 チケットの最終販売は、中国銀行の店舗とインターネット上で行われ、138万枚が販売された。

 しかし、インターネット利用者の中には、1枚も購入することができなかったと述べる者もいる。また、販売店で購入した人によると、店舗には長蛇の列ができていたという。

 ある北京の学生は、「中国銀行に買いに行ったが、100人近くが並んでいた。そこで自宅に帰りオンライン販売で購入しようとしたけど、4時間ねばってもチケットはとれなかった」と述べた。

 オンライン販売では、「一時的に利用できません」というメッセージが表示されるなど、支払い処理中にシステムが正常に作動しなかったという声もある。

 前年10月のチケット販売の際には、システムの不具合が発生し市民の怒りを買ったチケット販売責任者が辞任するという事態となっており、五輪チケット販売センターは、今回はそういった不具合は発生しないと誓約していた。

 中国銀行の店舗の多くでは、チケットは昼ごろには完売してしまっていた。これに対しチケット販売側は、6日に新たなチケットの販売を行うと発表している。

 陸上競技のチケットを求めて昼休みに中国銀行を訪れたものの、すでにチケットは完売していたと言うWuさん(25)は、「明日の朝7時半ごろまた来るよ」と述べた。

 5日午後までに販売されたチケットの総数はわかっていないが、北京五輪組織委員会(Beijing Organizing Committee for the 2008 Olympic GamesBOCOG)によると、午前9時半には4種目のチケットが完売していたという。どの種目かは発表されていない。詳細は追って明らかになる見通し。

 五輪チケットは、全体の58%が大多数の中国人にも購入可能な100元(約1500円)以下に設定されている。チケット販売は6月9日まで続く。(c)AFP