【8月19日 AFP】北京五輪第11日の陸上・男子110メートルハードルを棄権した中国の劉翔(Liu Xiang、リュウショウ)が、ファンに謝罪をした。一方で劉翔は、足の怪我の痛みは「耐えられない」ものだったとも語った。

 チャイナ・スポーツ・デーリー(China Sports Daily)が19日に伝えたところによると、劉翔は「多くの人が私を支えてくれていたので、本当にすまないとだけ思っている。自分自身に走らなくてはならないと言い聞かせたが、それができなかった」と語っている。

 また国営新華社通信(Xinhua)は、劉翔の言葉として「右足の腱(けん)を損傷した痛みは本当に激しいもので、予選を棄権せざるを得なかった。耐えられなかった。レースを走った場合には、状況は悪化していたかもしれない。その瞬間の気持ちを表現することはできない。これまで簡単にやめたことはない。私はそのような種類の人間ではない」と伝えている。

 25歳の劉翔は、トラックでの自身の最後の姿を目にできなかったファンを安心させようと「戻ってくる」と語っている。

 劉翔の衝撃的な棄権により、北京五輪でもっとも印象に残る瞬間になると期待していた中国国民、その期待を奪われてしまった。

 劉翔は、2004年アテネ五輪の男子110メートルハードルを中国人選手として始めて制したことにより、国民的英雄となっていた。(c)AFP