【5月17日 AFP】禁止薬物使用で出場停止処分を受けた経験を持つ英国の短距離選手ドウェイン・チェンバース(Dwain Chambers)が、8月の北京五輪出場に望みをつなぐ手段の一つとして、2003年に禁止薬物の使用が発覚した時には、7種類の薬物を使用していたことを明らかにした。

 チェンバースは、テトラハイドロゲストリノン(TetrahydrogestrinoneTHG)の陽性反応を示し2年間の出場停止処分を下された経験を持つ。

 チェンバースに禁止薬物を提供した栄養補助食品会社バルコ(Bay Area Laboratory Co-operativeBALCO)の創業者ビクター・コンテ(Victor Conte)氏にる手紙によると、チェンバースはTHGに加えて、ヒト成長ホルモン(Human Growth HormoneHGH)、エリスロポエチン(ErythropoietinEPO)、インスリン(insulin)、テストステロン(testosterone)/エピテストステロン(epitestosterone)のクリーム、モダフィニル(Modafinil)、リオチロニン(liothyronine)を使用していたとされてある。

 英メディアにより報じられたコンテ氏の手紙は、16日に英国スポーツ反ドーピング機関のジョン・スコット(John Scott)氏に対し、チェンバースが禁止薬物の使用を悔やみ、不正を一掃したいと願っていることを証明するのに役立つ可能性のある手段として引き渡される予定だった。

 30歳のチェンバースは、2008年1月に2度目の復帰を果たし、3月の第12回世界室内陸上競技選手権大会(12th IAAF World Indoor Championships)・男子60メートルで銀メダルを獲得するなど、再び英国のトップ選手の座についた。

 それでも欧州主要大会の主催者の多くはチェンバースの大会への出場を禁止しているため、チェンバースが陸上で生計を立てることは不可能となっており、チェンバースは先日、13人制ラグビー(ラグビー・リーグ)のスーパーリーグに所属するカッスルフォード・タイガース(Castleford Tigers)のトライアルを受けている。

 チェンバースは、薬物違反を犯した選手を英国代表として五輪に派遣することを禁止する英国五輪協会(British Olympic AssociationBOA)の規定を覆すために法的手続きを取ることを検討している。(c)AFP