【4月30日 CNS】中国で最近、子どもの出産制限を完全撤廃する議論が活発になっている。出産は2人までとする現在の政策を変更し、政府が3人目も容認するか、一気に全面自由化するかが注目されている。

 2019年の出生人口は1465万人で、過去40年間で最も多かった1987年の58%にとどまった。2020年の出生人口はまだ発表されていないが、新型コロナウイルス拡大などの要素もあり、すでに出生人数を発表している都市では前年より10~20ポイント減少している。

 人口問題の専門家で広東省(Guangdong)人口発展研究所の董玉整(Dong Yuzheng)所長は「第14次5か年計画(2021~2025年の期間中、年間出生人口は1000万人第の大台を割る可能性があると」予測。さらに「出産の自由化は早ければ早いほど良いが、重要なのは出産政策が調整すると同時に、関連政策の改善にもっと注意を払うべきだ」と提言する。

 出産人口の減少の要因は、未婚化・晩婚化が進んでいることや出産適正年齢の女性人口が減少していることが挙げられる。董氏は「近年は出産、育児、教育の費用が高くなりすぎている。若い夫婦は仕事にも追われている。産みたくないというよりは、産みやすい環境がないのが実情だ。こうしたプレッシャーを解放する施策こそが、出生人口を増やす原動力となる」と指摘している。(c)CNS-第一財経/JCM/AFPBB News