■個人的な賠償

トレベリアン氏は親族らと共に、教育事業に充てるため、約10万ポンド(約2100万円)を自発的に賠償金として支払った。

「会う人会う人に『先祖の行為について謝罪すべきでしょうか。私自身も賠償金を支払うべきだと思いますか』と尋ねた。返ってきた答えは、圧倒的に『イエス』だった」と語った。

共同設立者のチャーリー・グラッドストン氏も、2023年に南米ガイアナで公に謝罪した。同氏は、19世紀に改革を推進した英国首相ウィリアム・グラッドストンの直系の子孫に当たる。元首相の父ジョンは、英領西インド諸島で最大級の奴隷所有者の一人だった。

団体のメンバーには、英王室と深いつながりを持つ貴族、ヘアウッド伯爵デービッド・ラッセルズ氏もいる。

イングランド北部にあるラッセルズ家の邸宅ヘアウッド・ハウスには、英俳優デビッド・ヘアウッドさんの肖像画が飾られている。デビッドさんの先祖が、カリブ海のバルバドスにあったラッセルズ家のサトウキビ農園で働いていたことが判明したためだ。

英政府は9月、奴隷制に対する賠償要求には応じないとの立場を改めて表明した。英王室も過去の奴隷制について遺憾の意を示しているものの、政府と同様、公式な謝罪はしていない。