■不法移民や問題のある外国人の大規模な強制送還

下院補選は、キア・スターマー首相を引きずり下ろすために国政への復帰を目指す労働党候補でマンチェスター市長のアンディ・バーナム氏と、リフォームUK候補で配管工のロバート・ケニヨン氏による、事実上の一騎打ちとなっている。

調査会社は、リストア・ブリテン候補で地元実業家のレベッカ・シェパード氏が、約5~8%の票を獲得して3位につけると予測している。この得票率は、勝利が予想されるバーナム氏とケニヨン氏との差よりも大きくなる可能性がある。ケニヨン氏は今年2月、別の下院補選で反既得権を掲げる左派政党「緑の党」の候補に敗れている。

政治学者のジョン・カーティス氏はAFPに対し、「リストア・ブリテンの参戦が、ケニヨン氏がアンディ・バーナム氏を撃破する上で障壁となって立ちはだかる可能性がある」と述べた。

極右に関する著書のあるダニエル・トリリング氏は、「リフォームUKが(2月の下院補選に続いて)再び敗北すれば、政治的な勢いを失うリスクがある」と指摘。「党員や支持者は不満を募らせやすくなり、すでに現れているが、(党内の)分裂がさらに進むだろう」と語った。

リストア・ブリテンの看板政策は「大規模な強制送還」だ。不法移民だけでなく合法移民でも外国人犯罪者、英語を話せない外国人、生活保護を受給する外国人も追放する。

同党はさらに、イスラム教徒の女性が全身を覆う衣装「ブルカ」などの公共の場所での着用禁止や、死刑制度復活の是非を問う国民投票の実施も支持している。

トリリング氏は、「リストア・ブリテンは、英国における移民、人種、アイデンティティーの問題に対して、露骨にエスノ・ナショナリズム(人種などに基づいたナショナリズム)の立場を取ることで、リフォームUKよりもさらに右寄りのポジションを確立した」と分析。

欧州連合(EU)懐疑派のファラージ氏が「それとなくほのめかしながら」英国の政治的議論を右傾化させてきたのに対し、ロウ氏は「はるかに露骨だ」と付け加えた。

英領北アイルランドでスーダン出身の難民の男が市民1人を刃物で何度も刺して重傷を負わせた凄惨な事件への怒りが広がる中、ロウ氏はXに襲撃動画のスクリーンショットを投稿し、「何百万人も退去させなければならない」とのコメントを添えた。