【9月2日 AFP】米実業家イーロン・マスク氏は1日、7月の参院選で「日本人ファースト」を掲げる参政党が躍進した日本における反移民デモへの支持を表明した。

電気自動車(EV)大手テスラ、宇宙開発企業スペースXの最高経営責任者(CEO)を務めるマスク氏は、ドナルド・トランプ米政権で「政府効率化省(DOGE)」の責任者を務めたほか、ドイツの「ドイツのための選択肢(AfD)」をはじめ各国の極右政党を支持している。

南アフリカ出身のマスク氏は、「The British Patriot(英国の愛国者)」というアカウントがX(旧ツイッター)に投稿した、日本で行われた小規模なデモの様子を捉えた動画をリポストし、「いいね」とコメントした。

「土着のルーツを持つ誇り高き白人英国人男性」を自称する「The British Patriot」は、動画には日本のデモ参加者が「すべての不法移民の国外追放」を要求している様子が映っていると説明。

「オーストラリアから欧州、そして日本まで、市民はリマイグレーション(移民が出身地に戻ること)のために団結している」と続けた

この動画は8月30日に大阪で撮影されたものとみられ、デモ参加者が「日本をアフリカにすんな」などと書かれた大量移民政策に反対するプラカードや日本国旗を掲げて行進する場面が映っている。

日本の総人口に占める移民(在留外国人)の比率は他の先進国と比べると低く、有権者の関心事項に関する世論調査で移民問題はかなり下位に位置付けられている。

だが、高齢化、世界最低水準の低出生率、そして多くの産業における労働力不足により、移民の占める割合は増加傾向にある。

7月の参院選では、反移民を掲げる参政党が改選1議席から14議席に伸ばした。同党は現在参院で15議席、衆院で3議席を確保している。

同党の政策方針は世界中の他のポピュリスト運動と共通しており、「エリート主義」や「グローバリズム」を非難し、権力を国民に取り戻すと訴えている。(c)AFP