拒絶と受容の狭間 フランス地方部に暮らすトランスジェンダーの人々
このニュースをシェア
■精神的な強さが求められる
チーズ販売店で働くトランスジェンダー女性のアルメルさん(22)は、地方で暮らすには「他人にどう見られているかを気にせずにいられるようになるために、精神的にものすごく強くならなければならない」と語る。
この意見にはドゥーエさんも強く同意し、里親や近隣住民には受け入れられたが、学校では標的にされたと話した。
「トランスジェンダーの人々は、理解されず、裁かれ、道ですれ違っても無視され、屈辱を味わうことになる」
学校では、他の生徒から暴力を受けた経験もある。
ノンバイナリーで会社経営者のサラ・バルロフさん(29)は、自らの出生名サラと、男性名ラファエルを合わせて「サラフ」と名乗り、中性的な服装をしている。
だが、ブルーチーズで知られる田舎町アンベールに出掛けるときには、「男性のような格好」は避け、パートナーと手をつなぐことも控えるようにしている。
ル・コレ氏はこうした状況について、「地域が狭ければ狭いほど、少しでも違う存在は目立ってしまう」と指摘する。ただし、こうした反応は「地理的な要因というより、世代間の差によるものが大きい」とも述べた。
AFPが取材したトランスジェンダーの人たちの中には、地方から都市部へと移住する決断を下した人も複数いた。
ドゥーエさんもそのうちの一人で、クレルモンフェランに引っ越した。ここでなら「大勢の中に紛れる」ことができ、婦人科医のカリンティ氏が女性とトランスジェンダーの人々のために設立したセンターを定期的に訪れることもできるのだと説明した。