【5月12日 AFP】国連(UN)は12日、占領下のパレスチナ自治区ヨルダン川西岸でイスラエル軍の作戦と入植者による攻撃が「激化」していることを非難し、2025年初頭以降に死亡したパレスチナ人の子どもの数が70人に上っていると発表した。

国連児童基金のジェームズ・エルダー報道官は「東エルサレムを含む占領下のヨルダン川西岸では、軍事作戦と入植者による攻撃が激化しており、子どもたちが耐え難い状況に置かれている」と記者団に語った。

2025年初頭にイスラエルがヨルダン川西岸で大規模な軍事作戦を開始して以降、「平均すると、毎週少なくとも1人のパレスチナ人の子供が命を落としている計算になる」とし、またこの期間に負傷した子どもは850人に上るとした。

さらに「死亡または負傷したケースのほとんどは実弾によるもの」で、子どもの死の93%はイスラエルに責任があるとされた。入植者による攻撃が歴史的な増加を示す中、軍事作戦も拡大したという。

国連によると、2026年3月には、過去20年で最も多くのパレスチナ人がイスラエルの入植者の暴力により負傷した。報告された暴力行為には、子どもに対する銃撃や催涙スプレーの使用なども含まれている。

また、家屋や生活インフラが破壊され、教育や医療システムへのアクセスが妨げられるなどの被害も出ているとし、「子どもたちが生き延び、成長するために必要な条件が着実に解体されている」ことが指摘された。

こうした厳しい状況を背景に、西岸では今年最初の4か月だけで、パレスチナ人2500人以上が移住を余儀なくされている。そのうち1100人は子どもだった。

2023年10月にイスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃し、ガザ地区で紛争が起きて以降、西岸でも暴力行為が激化した。イスラエルは1967年から国際法に反してこの地域を占領している。

パレスチナ自治政府のデータに基づく集計では、イスラエル兵や入植者による暴力行為で、これまでに少なくとも1070人のパレスチナ人が死亡している。この中には武装勢力も多く含まれている。

一方、イスラエルの公式データによると同じ時期、少なくとも46人のイスラエル人(兵士や民間人を含む)がパレスチナ人の攻撃や軍の作戦中に死亡している。(c)AFP