ロシア、ノーベル平和賞の人権団体に活動禁止処分 独立系新聞を家宅捜索
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【4月10日 AFP】ロシアは9日、ノーベル平和賞を受賞した人権団体「メモリアル」に活動禁止処分を下し、さらに独立系紙「ノーバヤ・ガゼータ」の事務所の家宅捜索を行った。すでに大きく後退している同国の市民的自由に、さらに追い打ちをかける動きとなった。
メモリアルとノーバヤ・ガゼータは、ともにソビエト連邦崩壊前後に設立され、著名な人権侵害の報告や記録を行う組織として最も信頼されている。
2022年に隣国ウクライナへ軍を送り込んで以来、ロシア大統領府(クレムリン)は戦争反対の意見を抑圧しただけでなく、ソ連時代以降は見られなかった広範な弾圧を開始した。
メモリアルは1980年代後半に設立され、数百万人がグラグ(強制労働収容所網)制度で命を落とした、ソ連時代の政治的弾圧の犠牲者を記録することを目的としていた。
設立以降は常に政府から圧力を受けてきたメモリアルは、2021年に最高裁によって正式に解散命令が出され、それ以降は主に国外から活動を続けている。
裁判所はこの日、メモリアルが「過激主義団体」であると認定し、同団体とのいかなる協力も事実上禁止され、支援者は起訴の対象となる可能性がある。
1993年創刊のノーバヤ・ガゼータは、長年にわたりロシアを代表する独立系メディアであり、人権侵害や汚職に関する批判的な報道や調査によって激しく標的とされてきた。
同紙によると、9日に法執行当局による事務所の家宅捜索が行われ、調査報道記者の一人が拘束された。
週に数回発行されていた同紙は、ウクライナ戦争開始後に国内での発行を縮小したものの、裁判所の命令を受けながらもオンライン版は引き続き閲覧可能となっていた。
一部のスタッフは亡命を余儀なくされ、オンラインメディアの「ノーバヤ・ガゼータ・ヨーロッパ」を設立している。(c)AFP