【3月27日 CNS】中国の将来の競争力に関わる戦略的布陣が、より一層明確になってきた。今年、「新興支柱産業」が初めて政府活動報告に盛り込まれた。その背景には、「第15次五か年計画(2016-2030)」期間において、中国が戦略的新興産業、新興支柱産業、未来産業で構成される、短期・長期目標を組み合わせた新興産業の発展シークエンス(順序)を構築するという重大な任務がある。

中期を見据え、国民経済発展の新たな支柱を築く。「第14期全国人民代表大会第4回会議」の経済テーマの記者会見で、国家発展改革委員会の鄭柵潔(Zheng Shanjie)主任が述べた一連の発言が、新興支柱産業の発展目標を指し示した。鄭主任は「暫定試算によれば、新興支柱6大産業の関連生産額は2025年にはすでに6兆元(約137兆6400億円)近く迫っており、30年までにはさらに倍増、あるいはそれ以上となり、10兆元(約229兆4000億円)以上に拡大すると見込まれる」と強調した。

鄭主任が言及した6大新興産業には、集積回路、航空宇宙、バイオ医薬、低空経済、新エネルギー貯蔵、スマートロボットが含まれる。この中で鄭氏は特にスマートロボットに触れ「今回の春晩(国営テレビが製作する春節特別番組)に出演したヒト型ロボットのように単に芸や技を披露しただけでなく、その動きの中には多くの技術的含蓄がある」と話している。

春晩の時の光景は、今もまだ目に鮮やかだ。その舞台では数10体のヒト型ロボットが武術の達人と化し、見事な中国武術の一連の技を繰り出した。さらには床に転倒後の「鯉が跳ねる」ような起き上がりの技まで披露した。

「現在、ロボットは二つの方向で発展している。第一はますます人間に近づくことであり、幅広い応用シーンが期待できる。第二はますます人間離れしていくことであり、産業発展の必要に応じて、指が6本、8本になったり、5、6本の腕が生えたりするかもしれない」、鄭氏のこの生き生きとした言葉の端々に、新興支柱産業の発展の要件が示されている。すなわち、星空を仰ぎ見るような技術的高みを目指すと同時に、地に足をつけ、実際の問題を解決できる産業の深みを備えるということだ。

「10兆元」、これは想像力を大いに掻き立てる数字だが、決して空想ではない。データが最も有力な証明だ。例えば、航空宇宙分野では「中国電子情報産業発展研究院」に属す総合研究機構「賽迪智庫(CCID)」のデータによると、中国の商業宇宙市場規模は25年ですでに2兆8000億元(約64兆2320億円)台に達し、前年同期比20%以上増加した。30年には、この数字は7兆元(約160兆5800億円)から10兆元(約229兆4000億円)に跳ね上がる可能性がある。その頃には、宇宙空間の4S店や宇宙ホテルも、もはや夢ではないかもしれない。

また、バイオ医薬分野では、中国工程院の院士・顧暁松(Gu Xiaosong)氏が「25年の全国バイオ医薬市場規模は5兆元(約114兆7000億円)に達し、世界市場に占める割合は約22%になる」との見通しを明らかにした。かつては手の届かなかった高額な輸入薬が、国産の革新的新薬の登場によって、一般の家庭にも届くようになりつつある。

また、低空経済は、3回連続で政府活動報告に盛り込まれている。25年の市場規模はすでに1.5兆元(約34兆4100億円)に達し、30年には2兆元(約45兆8800億円)を突破する見通しだ。将来、深セン市(Shenzhen)から珠海市(Zhuhai)まで「空飛ぶタクシー」で通勤することも、もはや単なる映画の筋書きではなくなるかもしれない。

国家情報センターの朱幼平(Zhu Youping)研究員は「新興支柱産業は技術集約度が高く、成長の余地が大きく、波及効果が強いという特徴を持ち、中国の質の高い発展の新たなエンジンとなる」と強調した。

しかしながら、6兆元(約137兆4066億円)から10兆元への道のりは、決して平坦なものではない。例えば、集積回路の先進プロセスにおける「ボトルネック」の苦しみ、ハイエンド露光装置や高級材料のわずかな進歩にも、並々ならぬ努力を要する。ロボットは依然として、「大脳」に当たる自律的な意思決定と「小脳」に当たる運動制御に関するシステム上の課題に直面している。

朱研究員は「新興支柱産業の鍵は成熟度にある。それは、まだ揺りかご段階の未来産業でもなければ、伝統産業の単純なアップグレードでもない。技術が初步的には確立され、潜在力が実証された今、必要なのは資源を集中させ、より大きな経済的付加価値を加速的に形成することだ」と語った。

新興支柱産業は、明らかに一枚の勲章であると同時に、一つの試練でもある。それは、この分野が「試験場」から「主戦場」へと移行したことを意味し、成長の大旗を掲げ、風雨の中でその真価を証明し、経済成長に澎湃(ほうはい)たる原動力を注入しなければならない。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News