【3月17日 東方新報】デジタル経済の急成長に伴い、プラットフォーム経済は中国の労働市場で重要な位置を占めるようになった。調査では、新たな就業形態で働く人は8400万人に達し、全労働者の21%を占める。暮らしを支え、経済の循環を円滑にする大きな力となる一方で、労働関係の認定が難しく、権利保護の妨げになっている。今年の全国両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)では、多くの代表が「労働関係をはっきりさせる」必要性を訴え、現場に根ざした提言を行った。

河北金融学院の楊偉坤(Yang Weikun)学長は、一部企業が外注や請負、業務提携、さらには労働者に個人事業主登録を促すことで責任を回避し、新たな就業形態の労働者の権利保護が宙に浮いた状態になっていると指摘した。多くの労働者が「自分は誰のもとで働いているのか」「雇い主は誰なのか」を明確に把握できておらず、労働関係の認定が複雑なため、権利保護にはなお多くの課題があるという。

江蘇省(Jiangsu)常州市(Changzhou)の老三集団で労働組合主席を務める李承霞(Li Chengxia)代表も、労災やプラットフォームとのトラブルが起きた際、新たな就業形態の労働者がいまなお複数の窓口を回らなければならない状況に置かれていると指摘した。最大の問題は雇用関係が曖昧で、どの部門に訴えればよいのか分からないことだとして、複数部門が連携するワンストップの権利保護窓口を設けるべきだと提案した。

労働関係の認定について楊偉坤代表は、関係部門が合同で「新たな就業形態における労働関係認定ガイドライン」を策定すべきだと提案した。契約の形式ではなく、実際の管理実態を重視し、雇用関係が見かけ上の「提携関係」に置き換えられるのを防ぐべきだとした。

また、労働関係を判断するうえで重要なのは、労働者がプラットフォームの管理をどの程度受けているか、収入がどれほどプラットフォームに依存しているか、仕事の安定性があるか、経営リスクを自ら負っているかといった点だと述べた。労働仲裁や訴訟でも、こうした実態を優先して判断し、たとえ労働契約がなくても法に基づいて労働関係を認定すべきだとした。さらに、労働者を個人事業主として登録させても、それによって労働関係を回避できる法的効力は認めるべきではないと指摘した。そのうえで、従来の基準に完全には当てはまらない場合については、「準労働関係」の保護制度を設け、基本的な報酬、休息、休暇、労働安全などの権利を保障すべきだと提案した。

一汽解放大連ディーゼル機関有限公司の上級技師で首席技能大師を務める鹿新弟(Lu Xindi)代表も、労働関係が曖昧なままでは、労災、社会保険加入、権利救済のいずれも根拠を欠き、責任の所在も不明確になると指摘した。新たな就業形態の労働者についても、企業の従業員と同じように労働契約と五険一金の保障を受けられるよう、労働関係を明確にし、安心して働ける環境を整えるべきだと訴えた。(c)東方新報/AFPBB News