【12月17日 AFP】カリフォルニア州で最も危険な犯罪者が収容されている悪名高い刑務所で10月、映画祭が開かれた──サンフランシスコの北にあるサン・クエンティン更生センター(旧サン・クエンティン州立刑務所)での「サン・クエンティン映画祭」だ。今年で2回目の開催となった。

レッドカーペットのインタビューは、これまでに数百人の死刑囚が最後を迎えた部屋のすぐ近くで行われた。現在は使われていない死刑執行室だ。

映画祭では、受刑者たちが著名な俳優やジャーナリストと並んで座り、上映される映画を鑑賞する。ここで上映される映画は、受刑者らが制作した作品となる。

第一級殺人罪で77年の刑に服しているライアン・ペイガン受刑者(37)も映画を手掛けた一人だ。

刑事施設用の青いシャツの短い袖からタトゥーをのぞかせながら、「俳優になりたかったが、残念ながら実際に歩むことになった人生は違った」とAFPに話した。

刑事施設内で制作された映画『The Maple Leaf』は、短編映画部門に出品された。同映画祭では、現在もしくは以前に収監されていた受刑者による作品のみが審査の対象となる。

10代で犯罪に手を染めたペイガン受刑者は、映画監督というスキルが「ハリウッドへのパイプライン」となり、将来的に映画制作の仕事につながることを願っている。

収容者たちが罪悪感や恥と向き合う自己啓発グループをテーマに描いた『The Maple Leaf』は、最高賞こそ逃したものの、映画『パスト ライブス/再会』のセリーヌ・ソン監督やテレビドラマ「グレイズ・アナトミー」の出演俳優ジェシー・ウィリアムズら審査員から高い評価を得た。

ペイガン受刑者は「今はただ活動をして、自分を更生させている。『The Maple Leaf』の物語の一部は、私のような男たちのことを描いたものだ」と語った。