【12月13日 AFP】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は12日、今年、ウクライナ軍による越境攻撃を受けていたロシア西部クルスク州に朝鮮人民軍の工兵連隊を派遣し、地雷除去という命懸けの任務に当たらせていたことを認めた。国営朝鮮中央通信(KCNA)が13日、伝えた。

韓国と西側諸国の情報機関によると、北朝鮮はウクライナ侵攻を進めるロシアを支援するため、数千~数万人の兵士を派遣している。

アナリストらは、北朝鮮は兵士派遣の見返りとして、ロシアから資金援助、軍事技術、食料、エネルギーの供給を受けていると指摘。北朝鮮は、核・ミサイル開発に対する厳しい国際制裁を科され外交的に孤立しているが、ロシアが制裁回避を可能にしているという。

KCNAによると、金氏は帰国した工兵連隊の歓迎式典での演説で、同連隊の兵士たちが「地雷除去作業の合間に故郷に手紙を書いていた」と述べた。

工兵連隊は8月から120日間活動し、9人が死亡したとされる。

金氏は、死亡した工兵たちに国家勲章を授与し、その勇敢さに「永遠の輝き」を添えた。

金氏は「階級を問わず、全員が想像を絶する日々の精神的・肉体的負担を克服し、集団的な英雄的行為を示した」「3か月という短期間で、広大な危険地帯を安全地帯に変えるという奇跡を起こした」と述べた。

KCNAが公開した写真には、12日に平壌で行われた盛大な歓迎式典で、金氏が笑顔で帰還兵たちを抱きしめる様子が写っている。中には車いすの兵士もいた。(c)AFP