【12月12日 AFP】米国は11日、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の親族3人と、同国の石油を輸送する企業6社に対して新たな制裁を科した。

この措置の前日には、米国がベネズエラ沖で石油タンカーを拿捕(だほ)しており、両国間の緊張が高まっている。

米財務省の声明によると、今回制裁対象となったのはマドゥロ大統領の妻シリア・フローレス氏のおい3人となっている。

エフライン・アントニオ・カンポ・フローレス氏とフランキ・フランシスコ・フローレス・デ・フレイタス氏は、「ベネズエラで活動する麻薬密売人」とされている。カルロス・エリク・マルピカ・フローレス氏は2017年に制裁指定された後、22年にジョー・バイデン政権下でこれが解除されていたが、再び制裁対象になった。

スコット・ベセント財務長官は「ニコラス・マドゥロとその犯罪者仲間たちは、米国民をむしばむ麻薬を米国に流入させている」と声明で述べ、「これらの制裁は、ベネズエラ国民と米国民を犠牲にしてマドゥロの独裁的で残忍な支配を可能にした、バイデン政権が試みたマドゥロとの取引の失敗を覆すものだ」と続けた。

米政府はマドゥロ氏が麻薬組織(カルテル)を率いていると非難している。これを否定しているマドゥロ氏は、米国が体制転換を狙い、ベネズエラの豊富な石油資源を奪おうとしていると主張している。

トランプ政権は、麻薬取引対策の名目で世界最大の空母を含む艦隊を展開し、マドゥロ政権への圧力を強めている。米国はまた、これまでに20隻以上の麻薬密輸船とされる船を攻撃し、少なくとも87人を殺害している。(c)AFP