【12月12日 AFP】バルト3国エストニア北部ハリュ県の裁判所は11日、反逆罪で起訴された親ロシア派の政治家、アイボ・ペーテルソン被告に対し拘禁14年の判決を言い渡したと発表した。

裁判所は、ペーテルソン被告とその協力者であるドミトリー・ルーツ被告(いずれもエストニア国籍)が「ロシア連邦によるエストニアに対する影響力行使を支援した」と判断した。

ルーツ被告は拘禁11年の判決を言い渡された。同被告は、エストニアで議論を引き起こすことを目指す政党との会談と協力にロシアが関心を示していることをペーテルソン被告に伝えた。

その結果として会談が計画され、「(ロシアが)エストニアの政治情勢における決定に秘密裏に影響力を行使する可能性が生じた」という。

判決言い渡しを受けて、エストニアのマルグス・ツアフクナ外相はX(旧ツイッター)に「エストニアの法執行機関は、ロシア政府による転覆工作を阻止ため、たゆまぬ努力を重ねている」と投稿した。

元国境警備隊員のペーテルソン被告は、政党「KOOS(コース、「一緒に」の意)」の共同設立者。同党は、北大西洋条約機構(NATO)からの脱退、国防費の削減、旧ソ連時代の記念碑の保存などを訴えている。

ペーテルソン被告は国政選挙や欧州議会選に出馬。落選し公職に就くことはなかったが、かなりの票を獲得した。

ペーテルソン被告は民間防衛組織の設立を企てたとして、ルーツ被告と共に反逆罪で起訴されたが、これはロシアの指示なしに行われた。

裁判所はさらに、ペーテルソン被告がロシアが企画したウクライナ占領地ツアーに参加していたことも認定した。

ペーテルソン被告は占領地滞在中、「西側諸国と欧州の視聴者に向けてウクライナへの支援をやめるよう」呼び掛ける動画を撮影してソーシャルメディアに投稿するなど「ロシアの国益」を支持する行動を取った。さらに、エストニア議会選の候補者として、複数の親ロシア派チャンネルに出演した。

旅費はロシアが負担した。ツアーはロシア国籍のアンドレイ・アンドロノフ被告が企画したもので、アンドロノフ被告も11日に拘禁11年の判決を言い渡された。

3人は数千ユーロの罰金も科された。判決に不服がある場合、30日以内に控訴することができる。(c)AFP