【12月7日 AFP】インドネシアの国家災害対策庁は6日、スマトラ島で発生した洪水や土砂災害により、死者数が900人を超えたと発表した。被災地では食料不足によって死者数がさらに増える恐れも出てきている。

熱帯暴風雨と季節風(モンスーン)の豪雨が東南アジアから南アジアを襲い、スマトラ島の熱帯雨林からスリランカの高地プランテーションにかけて地滑りや鉄砲水を引き起こした。

過去1週間でインドネシア、スリランカ、マレーシア、タイ、ベトナムで1790人以上が亡くなっている。

インドネシアのアチェ州と北スマトラ州では洪水が道を押し流して家屋が泥に覆われ、物資供給が遮断されている。

アチェ州のムザキル・マナフ知事は、捜索隊が「腰までの深さの泥」の中で遺体を探し続けていると述べた。

しかし、最も深刻なのは孤立した遠隔地の村に迫る食料不足だという。

「多くの人々が生活必需品を必要としている。アチェの遠隔地にはまだ手が届いていない地域が多い」と知事は明かし、「人々は洪水で死んでいるのではなく、飢えで死んでいる。それが現実だ」と続けた。

インドネシアでの死者数は908人に達し、410人が行方不明となっている。

スリランカでは5日時点で607人死亡が確認され、政府は新たな豪雨による地滑りの危険を警告している。

タイでは276人、マレーシアでは2人、ベトナムでも豪雨による地滑りで少なくとも2人が死亡した。(c)AFP