【11月25日 AFP】数日間にわたる豪雨によりタイ南部ソンクラー県で大規模な水害が発生し、政府は25日、非常事態宣言を発令した。

南部4県で洪水被害が発生しており、防災当局によると、これまでに13人が死亡した。アヌティン・チャーンウィーラクン首相は記者団に対し、避難支援のため、さらに多くのボートやトラックを配備すると述べた。

観光地ハジャイでも大きな被害が出ている。現地のテレビ映像では、救助隊がボートやジェットスキー、軍用トラックを使い、洪水の中で人々を避難させる様子が映し出された。

レインコートを着て傘の下で乳児を抱えていた女性は地元テレビ局TNNに対し、「4日間取り残されていた」と語り、乳児と寝たきりの母親とともにボートで避難したと説明した。

県当局によると、20日以降、自宅から避難した住民は1200人以上に上るという。気象当局はさらに降雨があり、水害の恐れがあるとして注意を呼びかけている。

タイでは通常、6~9月に大雨が観測されるが、専門家は人為的な気候変動により極端な天候が悪化し、状況がますます予測困難になっていると指摘している。(c)AFP