台風25号、フィリピンで死者90人超に セブ州で甚大な被害
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【11月5日 AFP】<更新>フィリピンで4日、台風25号(アジア名:カルマエギ)の死者が90人を超えた。当局が発表した。被害が最も大きかった中部セブ州では住民が散乱したがれきの撤去を始めた。
セブ州の当局者はAFPに対し、沿岸の町で35人の遺体が収容され、州内の死者数は76人に達したと述べた。
国家市民防衛局はこれに先立ち、他の州で少なくとも17人の遺体を確認していると明らかにしていた。またセブ州については「洪水に見舞われたのは都市部。高度に都市化された地域だった」と説明した。
AFP記者は4日朝、前日には川のようになっていた道路でがれきを撤去していた被災地の住民から話を聞いた。
小売店を営む男性(53)は「昨日の洪水は本当にひどかった。店の物はすべて流されてしまった」と肩を落とした。
気象当局によると、台風上陸前の24時間でセブ市周辺の降水量は最大183ミリに達し、月平均の131ミリを大幅に上回った。
4日には、救助活動を支援していたフィリピン空軍のヘリコプター4機のうち1機が墜落。空軍は事故発生から数時間後、6人の遺体を収容したと発表した。現在、身元の確認が進められているという。
5日午前8時(日本時間同9時)時点で、台風は観光地パラワンに向けて西方に進んでおり、最大風速は毎秒約33メートル、瞬間風速は毎秒約46メートルに達している。
フィリピンは毎年平均20の嵐や台風に見舞われるが、今年はすでにその平均に達している。国家気象局の専門家はAFPに「年末までにさらに3~5の嵐が発生する可能性がある」との見通しを示した。(c)AFP/Faith BROWN with Cecil MORELLA in Manila