【11月4日 AFP】<更新>3日深夜にフィリピン中部に上陸した台風25号(アジア名:カルマエギ)の死者が26人となった。フィリピン防災当局が4日、明らかにした。

フィリピン市民防衛局はAFPの電話取材に対し、「これまでに入っている情報によれば、犠牲者の大半は溺死した」と述べた。防災当局によると、死者26人のうち21人は、複数の町で冠水が起きたセブ州で確認されたという。

4日午前8時(日本時間同9時)時点で、台風はセブ島とネグロス島を西に進んでおり、最大風速は毎秒約42メートル、瞬間風速は毎秒約51メートルに達した。両島では豪雨と強風の影響で道路が冠水し、屋根の上に避難する住民の姿も見られた。

セブで上階に避難したという住民は「水がとても速く上がってきた。聞いた話では洪水は午前3時ごろに始まり、午前4時にはもう家から出られなくなっていた」と語り、「ここに28年間住んでいるが、これまでで最悪の経験だ」と話した。

フィリピン市民防衛局によると、台風の進路に当たる地域から38万7000人が避難した。

フィリピンは毎年平均20の嵐や台風に見舞われるが、今年はすでにその平均に達している。国家気象局の専門家はAFPに「年末までにさらに3~5の嵐が発生する可能性がある」との見通しを示した。(c)AFP