ロシア軍、ウクライナ東部で着実に前進 AFP分析
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【11月4日 AFP】米国の戦争研究所(ISW)のデータを基にしたAFPの分析によると、ロシア軍は10月、東部ドネツク州への攻撃を強め、ウクライナで着実に前進した。
ドネツク州は、約4年にわたる戦争の中で最も激しい戦闘が続く地域で、ウクライナは現在、要衝ポクロフスクの防衛に追われている。ロシアは現在、同州の81%を支配しており、併合を主張し完全な制圧を目指している。
ロシアは、2014年に併合したクリミア半島のほか、2022年の全面侵攻前にモスクワ支援の分離主義勢力が制圧したドネツク、ルガンスク両州の一部を含め、ウクライナ領の19.2%を支配または支配を主張している。
ISWのデータによると、ロシア軍は10月、ウクライナから461平方キロ(286平方マイル)の領土を奪取した。このペースは今年の平均と同程度で、7月に634平方キロを制圧した時期からはやや鈍化している。
ロシア政府は、ウクライナ軍がルガンスク、ヘルソン、ザポリージャ各州からも撤退することを和平交渉の前提条件として求めているが、ウクライナ側は受け入れられないとして拒否している。
ロシア側が1年以上にわたって攻略を狙っている重要な物流拠点ポクロフスクは、ここ数週間で再び激しい圧力にさらされている。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ポクロフスクの状況について「厳しい」と述べ、「市内では260〜300人のロシア兵が戦っている」と指摘。「前線での戦闘の約30%がポクロフスクで発生している」と、3日の記者会見で語った。
ISWのデータはまた、ロシア軍が10月、ドネツク西方のドニプロペトロウシク州でも150平方キロを奪取したことを示している。ここは、ロシアが自国領と主張する地域には含まれない。(c)AFP
