【10月29日 AFP】ノルウェーの首都オスロとその周辺地域で公共交通機関を運営する「ルーター」は28日、中国製の電気自動車(EV)バスの一部に重大な欠陥があると発表した。ソフトウェアに欠陥があり、メーカーや悪意のある人物に車両を乗っ取られる可能性があるという。

ルーターは今夏、中国・宇通客車製とオランダ・VDL製のEVバスの試験を実施した。

宇通客車製EVバスにはSIMカードが搭載されており、メーカーが遠隔操作でソフトウェアアップデートをインストールすることで脆弱(ぜいじゃく)性を生じさせていたが、オランダ製モデルにはそれがなかった。

ルーターのベルント・レイタンイェンセン取締役は国営放送NRKに対し、「インターネットに接続されたあらゆるものがリスクをもたらすことが判明しており、バスも例外ではない」「例えば、サプライヤー(メーカー)がコントロールを奪うリスクだけでなく、他の主体がこのバリューチェーンに侵入し、バスに影響を与えるリスクもある」と語った。

ルーターは現在、この問題を防ぐためのデジタルファイアウォールを開発中だという。

ノルウェー政府はこの問題について調査中だと述べた。

ヨンイーバル・ニーゴール運輸相はNRKに対し、「安全保障協力関係にない国製のバスを運行することに伴うリスクを徹底的に評価したい」と語った。

AFPは宇通客車にコメントを求めたが、回答は得られていない。

ルーターはオスロとその周辺地域で中国製EVバスを約300台運行している。(c)AFP