【9月26日 AFP】台湾の台北地方法院(地裁)は25日、総統府の元職員を含む与党・民主進歩党(民進党)の元党員4人が中国のスパイ行為に関与したとして、国家機密保護法違反の罪の問われた裁判で、それぞれ拘禁4~10年の判決を言い渡した。

4人は、頼清徳総統率いる民進党からスパイ行為に関与した疑いで除名された1か月後の6月に起訴された。

中国は台湾を領土の一部だと主張し、武力による併合も辞さない構えを見せている。これに対し台湾は、中国が台湾の防衛力を弱めるために諜報(ちょうほう)活動や潜入工作を行っていると非難している。

裁判所は声明で、4人は国家機密保護法に違反し、国家機密を中国に漏洩(ろうえい)させたと判断。

「彼らがスパイ行為によって漏洩させた情報は重要な外交情報に関するもので、わが国の困難な外交状況をさらに悪化させた」と述べた。

スパイ活動は「非常に長い期間にわたって」行われ、外交部長(外相)を含む高官の旅程を共有するなど、「国家の外交安全保障を危険にさらしており、強く非難されるべきだ」と述べた。

台湾国家安全局によると、昨年は中国のスパイ行為に関与したとして64人が起訴され、最も重い罪に問われた者は20年以下の拘禁刑を科された。(c)AFP