【10月25日 AFP】米国防総省は24日、中南米の麻薬密輸組織に対抗するため、空母打撃群の派遣を命じた。米軍の軍事増強を大幅にエスカレートさせる措置を受け、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は「戦争をねつ造する」ことを目的としていると警告を発した。

国防総省のショーン・パーネル報道官は原子力空母「ジェラルド・R・フォード」と随伴艦の派遣で、「麻薬密輸の妨害能力を強化し、国際犯罪組織の弱体化と解体を促進する」と声明で述べた。

国外での軍事介入を終わらせると公約していた米国のドナルド・トランプ大統領は、9月初旬から麻薬の密輸に使用されているとされる船舶を標的とする軍事作戦を開始し、これまでに少なくとも10隻を破壊している。

この作戦でF35戦闘機10機と艦艇8隻が配備されたことで、ベネズエラ側には米政権の最終目的がマドゥロ政権の打倒にあるのではないかとの懸念が出ており、空母派遣はそれに拍車をかけることになる。

同日夜にマドゥロ氏は国営放送で、トランプ政権が「新たな永遠の戦争」をあおっていると非難し、「彼らは二度と戦争に関与しないと約束したが、今まさにわれわれが阻止しようとしている戦争をねつ造している」と述べた。

米国とベネズエラの対立は、米国の空爆を厳しく批判していたコロンビアのグスタボ・ペトロ大統領にも波及しており、同氏はこの日、麻薬密輸を容認したとして米財務省から制裁を受けている。(c)AFP