欧州最強軍目指すドイツ、「徴兵くじ引き制」を検討 連立政権内で論争
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■「重大な侵害」
欧州外交評議会のフェロー、ラファエル・ロス氏は、徴兵制をめぐる議論は時期尚早だと考えている。
ロス氏は、新兵の選抜と訓練のためのインフラ整備には何年もかかると述べ、急ぐと短期的に戦闘即応体制が低下する可能性があると指摘した。
また、徴兵くじ引き制度の議論が「全体の取り組みに悪影響を及ぼす可能性がある」と懸念も示した。
ドイツ外交評議会のパトリック・ケラー氏は、現在の徴兵活動を歓迎する一方で、ドイツの高齢化と労働市場の逼迫(ひっぱく)を考えると、それだけで十分かを疑問視している。
ケラー氏は、義務的な徴兵制は、国民に軍隊を経験させることで「軍隊と社会の溝を埋める」ことにもつながると述べた。
さらに、「私たちがこの議論を行い、この問題についてオープンに話し合っているのは良いことだ」「なぜなら、義務的な徴兵制は常に個人の自由に対する重大な侵害だからだ」と付け加えた。(c)AFP