ベネズエラ副大統領、マドゥロ大統領の退陣めぐる米国との交渉を否定
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【10月17日 AFP】南米ベネズエラのデルシー・ロドリゲス副大統領は16日、ニコラス・マドゥロ大統領の退陣に向けて米国と交渉したとの報道を否定した。
米紙マイアミ・ヘラルドは、ロドリゲス副大統領と兄のホルヘ・ロドリゲス国会議長が、自分たちの方が左派の独裁者であるマドゥロ氏よりも「より受け入れやすい」代替候補だと米国にアピールしようとしたと報じた。
ロドリゲス副大統領はテレグラムに、「フェイクだ!! またしてもメディアが、ベネズエラ国民に対する心理戦という汚い行為に加担している」「彼らには倫理観も道徳観もない」と投稿した。
その後、ロドリゲス副大統領はマドゥロ大統領と一緒に写った写真を共有し、「マドゥロ大統領と共に一体である」とキャプションを添えた。
米国は、昨年の選挙で不正行為をしたとされるマドゥロ大統領を、麻薬組織(カルテル)の首謀者として起訴している。
ドナルド・トランプ米大統領は、麻薬密輸対策の一環として、カリブ海に軍艦を派遣した。
米軍は9月初旬以降、カリブ海で少なくとも「麻薬密売船」少なくとも5隻を破壊し、27人を殺害した。
トランプ大統領は15日、事態の深刻化を受け、米中央情報局(CIA)にベネズエラ国内での工作活動を許可し、麻薬組織への攻撃を陸上でも実施することを検討していると示唆した。
マイアミ・ヘラルド紙によると、ロドリゲス兄妹は、故ウゴ・チャベス前大統領とマドゥロ大統領が掲げる社会主義イデオロギー「チャベス主義」の「より受け入れやすい」バージョンだとして自分たちを米国に売り込んだ。
ロドリゲス兄妹はカタールの仲介者を通じて米政府に二つの権力移行案を提示した。カタールはこれまで、米国とベネズエラの捕虜交換の仲介役を務めてきた。
マイアミ・ヘラルドによると、これらの提案はマドゥロ大統領の承認を得たもので、亡命中の退役将軍が暫定政府を率いる内容だという。(c)AFP