F1初のヒートハザード発令、ドライバーは冷却ベスト着用可能に
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【10月3日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)を統括する国際自動車連盟(FIA)は2日、今週末行われる25F1第18戦シンガポールGPを控え、ヒートハザードを発令した。これにより、ドライバーの体温管理を支援する新ルールが初めて適用される。
レース・ディレクターのルイ・マルケス氏はこの日午後、各チームに対して規則を通知。外気が31度以上になると予測されるため、ドライバーたちは冷却ベストの着用が可能となる。
レースが行われるマリーナベイ・ストリート・サーキットは、暑さや湿度、天候の極端さが影響し、F1の中で肉体的に最も過酷なサーキットの一つとなっている。ドライバーは、最長2時間に及ぶナイトレースで最大3キロもの体重を失うことがある、
今季のバーレーンGPで耐火レーシングスーツの下にテストで冷却ベストを着用したメルセデスAMGのジョージ・ラッセルは、「全員が快適だと感じるわけではないけれど、快適に感じる人もいるし、時間がたてば自分の好みに合わせて調整できるようになると思う」と記者団に述べた。
「コンセプトは良いと思う。湿度90%の中でレースをして、コックピット内が60度近くになると、車の中はまるでサウナだから、みんな歓迎していると思う」
ベストは冷却チューブがポンプと熱交換器に接続されており、すでに狭いコックピット内では非常に不快だと感じるドライバーもいる。
そのため、FIAはベストの着用を義務化しない方針を示した。ただし、使用しない場合でも、マシンにはベストを機能させるための装備を搭載する必要がある。
ベストを着用しないドライバーは、着用するドライバーとの公平性を保つために0.5キロの(重り)を追加しなければならない。
アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは、「このシステムは機能する。シャツ自体はシステムが組み込まれている分、素材が少し厚くなっていて快適さは減る」と述べた。
「トレードオフだね。運転中は快適さが減るけど、少し涼しくはなる」(c)AFP