【9月29日 AFP】イスラエルの極右ベツァレル・スモトリッチ財務相は29日、米ホワイトハウスでベンヤミン・ネタニヤフ首相とドナルド・トランプ大統領との会談を前に、ガザ地区でのイスラエル軍の作戦が「完全に自由に遂行できる状態」に維持されるべきだと主張した。

両首脳の会談では、トランプ氏がガザ地区での停戦に向けた計画21項目への同意をネタニヤフ氏に求める見通しである。

スモトリッチ氏はX(旧ツイッター)に長文を投稿し、一連の「レッドライン」を示した。その中で、イスラエルの安全は「行動、土地の保持、そして(イスラエル軍)と防衛機関にのみ依存する妥協のない執行」にかかっていると述べ、さらに軍が「フィラデルフィ回廊を含む周辺に常駐し、ガザ地区全体で作戦を自由に遂行できる状態を維持する」ことを要求した。

フィラデルフィ回廊はガザ・エジプト国境に沿う緩衝地帯で、パレスチナ領土への武器密輸を防ぐためにイスラエルにとって重要とされる。一方、外交筋によると、トランプ氏の和平案にはこの地域からのイスラエル軍撤退が盛り込まれている。

スモトリッチ氏はまた、ガザの将来におけるパレスチナ自治政府(PA)の役割を否定。ヨルダン川西岸に拠点を置くPAの関与は、トランプ氏の計画でも最も論争的な点の一つとなっている。

PAは2007年にイスラム組織ハマスが権力を掌握するまでガザを統治していた。ネタニヤフ氏もガザの将来におけるPAの関与を断固として拒否している。

さらにスモトリッチ氏はカタールの関与にも否定的で、「テロを助長・資金提供するカタールの偽善と二重性を終わらせる時が来た」と強調した。

イスラエルは最近、カタール国内でハマス指導者を標的とした攻撃を実施。カタールは米国の同盟国であり、ガザ停戦の主要仲介者でもある。この攻撃に対してトランプ氏も反対していた。(c)AFP