空爆された施設の「がれきの下」に濃縮核物質、イラン外相明かす
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【9月12日 AFP】イランのアッバス・アラグチ外相は11日、イスラエルによる空爆で被害を受けた施設の「がれきの下」に濃縮核物質が残っていると明かした。
テレビのインタビューでアラグチ氏は、「われわれのすべての物質は、爆撃された施設のがれきの下にある」と述べ、現在イランの原子力庁が備蓄の状態と可触性を評価していると付け加えた。
6月のイスラエルとの「12日間戦争」で、核施設がイスラエルと米国の攻撃を受けたイランは、その後国際原子力機関(IAEA)との関係を停止していた。しかし、9日にはIAEAと新たな枠組みで合意している。
インタビューの中でアラグチ氏は、新たな枠組みの中では、国連(UN)の核査察官がアクセスするには、イランの国家安全保障最高評議会の承認が必要だと強調。この合意が、戦争中に攻撃された核施設と、南部のブシェール原子炉のように損傷を受けていない施設とを区別しているとした。
攻撃を受けた施設についてアラグチ氏は、「現時点では、環境および安全に関する必要な措置をイランが実施するまで、何の行動も取られない」と話し、「査察は現在議題にも上がっていない」と続けた。
IAEAは最近の報告書で、6月13日の戦争開始時点で、イランが最大60%まで濃縮されたウランを約440.9キログラム保有していたと推定している。IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は同月末、戦争以降、イランの濃縮核物質の所在が不明だと述べていた。
8月末に英国、フランス、ドイツは、イランが10年前に署名した核計画に関する義務を守らなかったとして、国連制裁を再発動する「スナップバック」の手続きを開始している。
西側諸国はイランが原子力エネルギー計画を装って核兵器を開発しようとしているのではないかと懸念しているが、イランはこの疑惑を強く否定している。(c)AFP(c)AFP