イスラエル人指揮者理由に公演中止 ベルギー音楽祭
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【9月11日 AFP】ベルギーで予定されていたドイツのオーケストラの公演が10日、イスラエル人指揮者との関係を理由に中止となり、ドイツ政府は激しく反発している。
公演の中止が発表されたのは、ミュンヘンに本拠を置く「ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団」で、ゲントで開催されるフランダース音楽祭で18日に公演が予定されていた。公演では、次期主席指揮者で現在イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を務めるイスラエル人、ラハフ・シャニ氏が指揮を務める予定だった。
音楽祭の主催者は10日、「シャニ氏のイスラエル政府に対する姿勢が十分に明確ではない」として、「われわれは、その政権から明確に距離を置いていないパートナーとの協力を控えることを選んだ」と声明を発表した。一方で、シャニ氏が過去に「平和と和解を支持する発言を何度も行ってきた」ことについては認識しているとした。
主催者は声明で、「現在の状況が感情的な反応を引き起こしている」と指摘し、フェスティバルでは「静穏を保ちたい」と説明した。
ドイツ文化・メディア相のボルフラム・ワイマー氏は、音楽祭側の決定を受け「欧州の恥」と批判し、「イスラエルへの批判を装って、文化的なボイコットが行われている」と反発した。
ベルギーのマキシム・プレボ外相は、音楽祭側の判断について「過剰」に思えると指摘し、出演したラジオ番組で「ユダヤ人コミュニティやイスラエル人をネタニヤフ首相の政策と混同してはならない」と述べた。(c)AFP