【9月5日 AFP】欧州連合(EU)欧州委員会のテレサ・リベラ上級副委員長(スペイン)は4日、パレスチナ自治区ガザ地区での紛争を「ジェノサイド(集団殺害)」と呼び、イスラエルへの批判を強めるとともに、ガザ紛争を止めるための行動を取らなかったEU加盟27か国を強く非難した。

リベラ氏は仏パリで演説し、「ガザ紛争におけるジェノサイドは、欧州が行動を起こさず、声さえ上げなかったことを露呈している」と述べた。

ある報道官がジェノサイドが起きているかどうかに関する法的判断は裁判所が下すべきだと述べるなど、EU高官はこれまで、ガザ紛争におけるイスラエルの行動を「ジェノサイド」と呼ぶことを避けてきた。

イスラエルへの対抗措置を求める加盟国とイスラエルを支持する加盟国の間には深い溝があるため、EUはガザ紛争への対応に苦慮している。

この溝はEU執行部内にも存在し、リベラ氏はこの問題への取り組みが不十分であることに不満を表明している。

リベラ氏が「ジェノサイド」という言葉を使ったことで、欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長(ドイツ)はイスラエルに対してより強硬な姿勢を取るよう求める、これまで以上に強い圧力にさらされる可能性がある。

フォンデアライエン氏率いる欧州委は7月、ガザ紛争への対応としてイスラエルの新興企業への資金提供削減を提案したが、今のところ過半数の支持は得られていない。(c)AFP