イスラエル治安相、パレスチナ人収容者の待遇改善命令で最高裁非難
発信地:エルサレム/中東・アフリカ
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【9月9日 AFP】イスラエルのイタマル・ベングビール国家治安相は8日、刑務所に収容されているパレスチナ人に提供される食事の改善を命じた最高裁判所を非難した。
東エルサレムで同日発生した、パレスチナ人2人がイスラエル人6人を殺害した銃撃事件の現場を訪れたベングビール氏は「昨日、最高裁はテロリストや殺人者の待遇をさらに改善するよう命じた」と述べ、「それはわれわれの監視下では起こらない。刑務所の状況は現状のままとする。これが抑止力を強める」と記者団に語った。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相も「われわれは敵の生活を楽にしない」と述べ、判事たちも「この戦争の一部だ」と続けた。
最高裁は、イスラエルの人権団体2団体が提出した請願を審理し、刑務所で「法律に基づく基本的な生活条件」を満たす食事が提供されていないと判断。食事の削減が抑止力として機能する証拠はないと強調した。
また、イスラム組織ハマスによる拘束から解放された人質の証言から、収容されているパレスチナ人への待遇が、ガザ地区でいまも人質となっている人々の環境に悪影響を与える可能性があると指摘した。
「社会は、収容者の待遇によっても評価される」と最高裁は付け加えた。
刑務所を監督する立場にあるベングビール氏は昨年7月、「国家治安相として職務を引き受けて以来、私が掲げた最優先目標の一つは、刑務所内のテロリストの待遇を悪化させることだった」とX(旧ツイッター)に投稿していた。
ヤリブ・レビン法相も判決を非難。「人質がトンネルで飢えている間に、最高裁の判事2人が最悪のテロリストに与える食事の改善を要求している」とテレグラムに書いた。(c)AFP