【9月8日 AFP】国連(UN)のボルカー・ターク人権高等弁務官は8日、イスラエル当局によるパレスチナ自治区ガザ地区に関する露骨な「ジェノサイド(大量虐殺)的言動」に懸念を表明し、「虐殺を終わらせる」ための決定的な国際的行動を求めた。

国連人権理事会第60回会合の冒頭演説で、ターク氏は「イスラエルによるガザ地区でのパレスチナ市民の大量殺害、言葉では表現できない苦しみと壊滅的な破壊、支援の妨害とそれに伴う市民の飢餓、ジャーナリストや国連職員、NGO職員の殺害、そして戦争犯罪の繰り返しは、世界の良心を揺さぶっている」と述べ、厳しく非難した。

同氏はまた、「私は、イスラエル高官によるジェノサイド的言動の公然たる使用と、パレスチナ人に対する非人間化に恐怖を感じている」とも語った。

さらに、戦争勃発からほぼ2年が経過し、「地域は平和を切望している」と強調。「ガザは既に墓場となっている」と述べた。

イスラエルは米国と同様に理事会を脱退している。米国はドナルド・トランプ大統領の2期目就任直後に脱退した。

ターク氏は、イスラエルが「国際司法裁判所(ICJ)によって命じられたジェノサイド防止措置を講じ、ジェノサイドの扇動を罰し、ガザのパレスチナ人に十分な援助を届ける法的義務を負っている」と主張。

また、国際社会に対しては「その義務を果たしていない」とし、各国に「残虐犯罪を回避するためにもっと行動する」ことを求めた。

「戦争法違反の可能性がある兵器がイスラエルに流れ込むのを止めなければならない」と述べ、「今すぐ行動が必要だ。虐殺を終わらせるために」と訴えた。(c)AFP